ON TRIAL IN LATVERIA!【Captain America: Symbol of Truth (2022-) #3】

マーベル随一の問題児、デッドプールを迎えた前回に続いて、今回は暴君ドクター・ドゥームが登場。いっそう、サム・ウィルソンの活躍の幅は広がっていきます。
しかしそれは、キャプテン・アメリカという米国のシンボルが、他の国に影響を及ぼすということ。たった一人の言動が、国際問題、外交問題にも発展する?
キャップが飛翔する時、ドゥームが君臨するラトヴェリアは、そして民主化したワカンダはどんな反応を示す?
CASoT20223- (2)謎の組織の実験から、いとこを助け出したホアキン。
これ以上の被害に遭わぬよう、通信機を渡すのだが…彼もまた、陰謀に巻き取られていく。



<あらすじ>
超人血清、難民、そしてヴィブラニウム。あらゆる資源の密輸を目論む謎の組織を追って、キャプテン・アメリカ/サム・ウィルソンはラトヴェリアへと潜入。デッドプール/ウェイド・ウィルソンと共に、彼らの拠点の一つを破壊する。
が、その行為が国の君主、ドクター・ドゥーム/ヴィクター・フォン・ドゥームの目に留まってしまう。違法に入国した侵入者の罪を問う独裁者に対して、サムは米国の代表としてを説こうとする。
その後帰国した彼は、休む間もなくヴィブラニウムの原産国、ワカンダと接触。ラトヴェリアとの共闘は不可能。であれば、組織の正体を明かすため、少しでも協力者が欲しいところなのだが…
CASoT20223- (3)ラトヴェリアの正義は、我にあり。
一切揺らがぬドゥームに、もう一人の"正義"が挑んだ。





<自由はどこに?>
ラトヴェリアが目的地だろうと経由地だろうと、密輸の温床になっているのだとしたら、どれほどのか。もしこの事件に関わっていないのなら、聡明なドゥーム卿にはお分かりだろう。
ウェイドと共に、ラトヴェリア法廷に掛けられたサム・ウィルソン。絶対の法にして、唯一の裁判官であるドゥームに投げかけた言葉は、意外なほどシンプル。自らの正義や、相手の過去の悪行に訴えるような野蛮なことはせず、あくまで自分と相手国の置かれている状況を整理。
密入国に暴動、殺人にスパイ行為。様々な罪状を並べ、キャップの首を取らんばかりの勢いだった悪魔博士も、これには頷かざるをえず。まあ国際問題とか関係ないウェイドには後で罰を与えるとして、サムは解放してしまいました。
…いやホント、読んでて「え!」と思えるほど、かの大ヴィランにしてはアッサリしすぎな結末だったのですが、おそらくこれは後の展開に掛かって来るのだと思います。
CASoT20223- (4)国の代表者同士の会話。
今回は、利害が一致した。ただし、"次"はない。



"Wウィルソン"を早々に解消し、サムは帰国。懇意にしている上院議員を通じて、ワカンダとの通信を試みます。おそらく関わりのないラトヴェリアとは異なり、ヴィブラニウムを生み出す本丸を覗き見れば、少しは組織の正体は掴めるだろう。
ブラックパンサー/ティチャラやシュリ姫とも、知らぬ仲ではない。きっと協力してくれるはず。逸る気持ちと期待を込めて、ワカンダ首脳陣の眼前へ。…ところが、帰って来た返事は意外なものでした。



近年の【Black Panther】誌の展開で、王制から民主制へと移行したワカンダ。ティチャラ"王"は姿を消し、代わりに国の代表となったシュリや他の代表者たちが窓口となります。
彼らが主張するのは、ワカンダの独立性と自治。神秘の鉱石を使い、悪だくみをしている者がいる。その情報には感謝するが、といって内政干渉を受ける謂われはない。国内で問題が起きているのなら、国内で粛々と解決する。
予想していたのとは、まるで真逆の答え。サムの顔には、驚きと怒りが見て取れます。向こうの主張も分からないではないが、そのために他国を、アメリカを危険に晒そうと言うのか。
CASoT20223- (5)自国が良ければ、他国はどうでもいい。
国境など気にしない悪行を前にしたワカンダの主張は、サムにはそう聞こえた。



彼がワカンダに対して憤る理由は、もう一つ。昨今、アフリカ系アメリカ人の間で盛り上がる"ワカンダ・フォーエバー"運動。肌の色が違うからというだけで銃を突きつける偽りの平等の国を出て、母なる大地、真の平和の国に帰ろう。
すなわち、アメリカを捨て、ワカンダに助けてもらおうという思想が、サムと同じ肌色をした人々の間で大流行。この傾向は米国の守護者にとって、あまりにショッキングなもの。
自分やスティーブ・ロジャース、他のヒーローたちは、国の人々のために戦っていたはずなのに、彼らは何ら守られているとは思っていなかったのか。むしろ、傷つけられるばかりの世界から、抜け出したいと思っていたのか。
そして運動に参加する者たちの言う"自由"が、まさに障害として目の前に立ちふさがっている。これほどの息苦しさはないでしょう。
CASoT20223- (6)かつてサム・ウィルソンとしてケアした罪人たちの間にも、"檻"を出てワカンダへ行きたいとの声。
それほど、今のこの国には平等はないのか?





この流れのキモは、ワカンダ側が決して無茶を言っているわけではない点でしょう。新たな体制が動き出した、民主国。それが従来のツテがあるからといって、アメリカそのものとも呼べるキャプテン・アメリカを呼び込めば、体外的にどう見えるか。国に宿っていた悪党を、キャプテン・アメリカ"様"が倒したとなったら、どう見られるか。
個人の損得勘定で、星条旗のアベンジャーを捕らえるも解き放つも"自由"。そんな独裁国家ラトヴェリアと、彼ら黒人の掲げる"自由"は全然違う。技術の最先端を行く古き国に芽生えた新たな思想は、まだそんな段階。
サムとて、この理屈の分からぬ人ではないでしょう。他方で正義感の強い彼は、そういった視点が抜け落ちて、悪を倒すことばかりに目が向いている。人や資源を弄ぶ悪に対して、焦っている。この弱き感情は、彼を得物と定めたホワイト・ウルフにとって、恰好の的で…
CASoT20223- (7)一方的に切られた通信に、意気消沈。
外交ルートで、ワカンダへ通じることはできない。それならば…



キャプテン・アメリカを縛り付ける罠は、こうして目に見えるものだけではありません。ファルコン/ホアキン・トレスが助け出した親戚。彼女は密輸列車に乗せられる前、謎の研究所で実験対象になっていたと言います。
彼女を助けたいと、一人情報収集に走る若きファルコン。が、これこそホワイト・ウルフと、彼に協力するクロスボーンの思うつぼ。待ち伏せをされているというだけでなく、少女にも不審な行動
空高く舞うヒーローコンビの気のゆるみが生み出した、つけ入る隙。これが彼らを、地に落とす結末をもたらさなければ良いのですが。
CASoT20223- (8)困窮にあえぐ祖国の人々を苦しめるなんて、許せない。
同胞を守ろうとやっきになる若鳥が、より狡猾な罠に囚われる。

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Author:早坂よもぎ

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