The Devourer King Part6【Thor #6】

シリーズ開始から続いてきた黒い冬との対決が、ここで堂々完結!ソーのヘラルドとしての使命も、一先ず終わりを告げます。
これで彼とアスガルドを覆っていた冬も通り過ぎ、今度は暖かな春が訪れる…となればいいところを、どうやら話はそう簡単には行かない様子。
これまでないほどに、沈痛な面持ちのキング・ソー。銀河をかけた戦いの最後に、一体何が待ち受けていたのか。
Thor20206- (2)本来ならば、祝勝ムードでもおかしくないはずが。
神界の玉座に座るのは、酒を煽るように呑む、孤独なオーディンソン。



<あらすじ>
魔神ギャラクタスの先触れにまでなり、彼から借りた力で、宇宙を襲う脅威ブラック・ウィンターと戦ったソー・オーディンソン。ついにその戦いが終結したことを知ったシルバーサーファーは、とある疑問をぶつけるために、アスガルドの王の間を訪れていた。
勝利を収めたのであれば、偉大なる王は一人で塞ぎ込む必要などないはず。それがなぜ、このような事態になっているのか。君は、黒い冬との対決の末に何を見たのか。
問い詰める友に対し、ソーは重い口を開く。魔神や漆黒との戦いの末に垣間見た、決して救いのない永遠の闇について語り始める。
Thor20206- (3)ブラック・ウィンターの造り出した闇の世界に、一筋の光。
その雷鳴は、本来ならば勝利のカチドキとなろうもの。





<絶え間ない「無」>
結論から言ってしまえば、ソーはギャラクタスとブラック・ウィンター、二人の神域の存在を相手取り、見事に勝利を収めました。
まるで雷神を侮るかのように、実体化した黒い冬。その暗黒の神から、元はそれのヘラルドであったことが明かされたギャラクタス。彼の無限の力もまた、無限の闇から与えられたものだった。
裏切りの事実を知ったソーは、魔神から借り受けたコズミック・パワー王としての力を最大限以上に振るい、轟雷の下に二人を打ち砕いた
今回描かれるのは、それだけの話です。

しかし、それが正解だったのか。玉座に戻ったソーの表情が晴れることなく、アスガルドもいまだ重苦しい雰囲気が漂っているのが、決して正道に行き着かなかった証拠でしょう。
銀河を滅ぼす厄災と称された、ブラック・ウィンター。それに打ち勝つのは、並大抵の力では不可能。そこでソーは、みなの期待や希望を反故にする形で、ギャラクタスのヘラルドとなり、戦うための力を得ました。
それでもまだ力は足りず、いくつかの星を生け贄に捧げ、止めに入ったシフやベータ・レイ・ビルとも戦った。それだけのことをしてきた。
Thor20206- (4)容赦のない雷撃。
神を謀った偽神の言葉など、聞く耳持たぬ。





ところがその果てに待っていたのは、元よりギャラクタスとブラック・ウィンターに繋がりがあったという過去。今ではそれは切れているのでしょうが、雷神には関係ありません。彼が受け取ったコズミック・パワーも、黒い災いから生じた呪われた力だったのですから。
ゆえに彼は、怒りによってハンマーを振りかざしました。その姿は力強く、頼もしいというよりも、どこか彼の我が出ているような気がします。
これだけ懸命に戦ってきたのに、その結末がこれなのか。そう言わんばかりの暴力。その威力は、ブラック・ウィンターにまで及んだのですが…

自分としてはある意味、こういった面はソーらしいとも感じました。一人の神として、あまりに強すぎる自我。時にそれは他者の理解を阻み、傷つけもする。
とはいえ、そういった強烈過ぎる個性が、時にアベンジャーズを、時に世界を助けてきたのだとも思います。
本シリーズでは、黒い冬との戦いの同時進行で、雷神が王として振る舞う姿が描かれてきました。後ろにいる者たちの命と信頼を背負い、それに応えるために戦う。
しかしシフやビルに言わせれば、それはあまりにらしくない。通り一辺倒の、テンプレ通りのが、果たして臣民の求めるキング・ソーの姿かと。
Thor20206- (5)増幅しつくした力で、悪を滅ぼす。
しかし本来鳴り響くはずの轟音は、闇へと消えていく。
ソー自身が、闇に呑まれるのと共に。



こういった展開を踏まえると、ソー・オーディンソンとしての部分が出て来たのは、喜ばしいことなのでしょう。けれども、オーディンソンであると同時に、キングでもある、でなければならない彼が、これでいいのでしょうか。
ソーが考える「王としての責務」を果たしつつ、シフたちのいう「らしいソー」でもなければ、キング・ソーが誕生した甲斐がない。ここまでの6話で描かれてきた雷神の姿は、それとはあまりにかけ離れていたと言って良いでしょう。



このキング・ソーとはとても呼べない、「オーディンソン」に対し、黒い冬は最期に彼の未来を見せます。瞬間、ソーの眼前に広がったのは…ブラック・ウィンターを倒したことで消え去ったはずの闇、無
光り、弾け、二人の神を討った。それでも、未来は変わっていない。これこそ、今回の行いが間違っていたことの、何よりの証拠でしょう。
Thor20206- (6)ブラック・ウィンターが見せたのは、ソーの最期、世界の終わり。
そこには、何も残ってなどいない。



事の顛末を聞き届けたサーファー。ずっとギャラクタスの先触れを務めて来た者として、ソーに言いたいことはおそらく山ほどあるはず。ところが彼は、言葉も少なく、ただ友の話を聞くだけでした。
なぜなら、他の誰よりも、雷神はムジョルニアが重くなっているのを実感していたから。ギャラクタスやブラック・ウィンターとの決着が、王、戦士としての所業ではなかったと理解していたから。
先触れとして黒く染まったソー。しかしその結末は、もっとずっと漆黒だった。そんな彼がこれから、未来を変えることができるのでしょうか。
Thor20206- (7)このままでは、最悪の未来が訪れる。
それを知りながら、雷神は俯くばかりなのか。

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No title

現在フォートナイトというゲームでマーベルコラボをしているのですが、どうやらベースとなっているストーリーがマイティソーのthe devourer king編のようなので、本家のストーリーを知りたいなと調べていたところ、こちらに辿り着きました。
簡潔に要点がまとめてあって分かりやすかったです!感謝します。

ちなみにフォートナイトコラボのオリジナルストーリーでは、ギャラクタスが1つ目の星を食べる所まではほぼ同じなのですが、
フォートナイトの世界が存在する星から無限のエネルギーが溢れているのをギャラクタスが感じとり、そのエネルギーの誘惑に負けたギャラクタスがフォートナイトの世界へ襲いかかるのをソーが先回りして他のマーベルキャラ(アイアンマンとか)と協力して食い止める的な感じです。

No title

そらくんさん、コメントありがとうございます。拙文がお役に立てて、良かったです。

フォートナイトとコラボしたという話だけは知っていたのですが、そういったストーリーなんですね。コミックに比べると前向きな内容なようで、安心しました。
引き続き、ゲームの方も楽しんでくださいね。
プロフィール

Author:早坂よもぎ

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