The Devourer King Part3【Thor #3】

宇宙に蔓延するを阻止しようと、オールファーザー・ソーが選んだのは、思いも寄らぬ道。
黒く染まるのは、この世界だけではない。ソーの心と身体の変色を止めるため、もう一人の雷神が姿を現しました。
これでもまだ、ソーは自分こそがワーシーだと示せるのか。注目の戦いが、ここに始まります。
Thor20203- (2)永遠の命を持つ彼にとって、どんな激闘も「一瞬のことですらない」。
だが此度の対決は、どれだけすぐ決着がつこうとも、彼の心に刻まれるのかもしれない。







<あらすじ>
銀河中に死をもたらす黒い冬。これを止められるのは、5つの惑星のエネルギーを吸い尽くしたギャラクタスのみ。ソーヘラルドとなり、目的のエネルギーを彼へと献上していく。
だがそのためには、無数の犠牲者が跡に残されることとなった。この狂気の行動を見過ごせず、ソーとギャラクタスの前に現れたのはベータ・レイ・ビル
彼は当初、ソーが巨神に操られていると思っていたのだが、次第にそうでないことを悟っていく。ならば、なおさらに兄弟の過ちを捨て置けぬと、その槌を振るうのだった。
Thor20203- (3)破壊神の前に並ぶ、2人の神と2つのハンマー。
互いに引けぬ信条のため、禁断の戦いが始まる。





<雷神激突>
ベータ・レイ・ビルと言えば、ソー最大の盟友の1人。ムジョルニアを持ち上げる資格を持ち、今もストームブレーカーを片手に宇宙を駆ける、嵐の守護者。
義兄弟の契りを交わした仲ともなれば、この大異変に駆けつけてくるのも当然のこと。ましてや彼には、ギャラクタスとも因縁があります。
暴食の魔神も、雷神2人ならば打ち滅ぼせる。そうすれば、黒く変わった兄弟も元に戻る。そう考え、一つの惑星を滅ぼしたソーの前に立ちふさがったのですが…

ところが、雷神の片割れから発せられた言葉は、予想だにしないもの。彼は自分の意志でこれをやっていると言い放ち、ビルにまでハンマーをぶつけます。
ご丁寧に、元のフォームに戻ってまで。それだけ、この志は揺るぎないものだと示して。
その姿は、ビルにとっては到底看過できないものでした。こうして2人は、本気の勝負を演じることとなります。
Thor20203- (4)黒い雷神から、一時元の姿へ。
自分が正気であることを伝えようとしたが、これがかえってビルの逆鱗に触れる。





そもそもムジョルニアといえば、世界でも類稀なる高潔な魂を持つ者でなければ、持ち上げることすら叶わぬもの。それに値する者、ワーシーと呼ばれた者であっても、その資格のあるなしに頭を悩ませることが何度もありました。
ビルを見てみれば、この点は難なくクリアしていると言えるでしょう。世界の破滅を防ぐため、それをもたらす悪神と先触れを倒すため。己が全力を振るう。
主な得物はストームブレーカーとはいえ、ソーの振り回すムジョルニアを受け止めることで、いまだ高貴な心があることを伺わせます。
Thor20203- (5)ソーからの、容赦ない一撃。
星を割り、嵐を起こし、ビルの心をも打ち砕こうとする。



では、ソーはどうか。#2で描かれたのは、ビルが怒るのももっともな惨い光景。すんでのところで住民は助け出したとはいえ、ギャラクタスと結託して星一つ滅ぼしたのは事実。
ただその念頭には、来たる「黒い冬」に備えなければという気持ちがあることを、忘れてはいけないでしょう。アスガルドに、世界に、終焉をもたらすわけにはいかない。ならば、大事のために小事を切り捨てることも必要ではないか。
そう冷血にも思える判断を下すのは、いまや彼がだから。父神オーディンとケンカをしながら、自由気ままに地上を闊歩する一個の存在ではない。こうして先を見据える責任がある。
彼はこう主張しながら、目の前に立つ兄弟にハンマーを振るいます。その「姿」には、いまだ曇りなし。
Thor20203- (6)「裏切り者め!」
ムジョルニアだけでない、コズミックパワーも持つソーの力は絶大。
これに対し、「もう一人のワーシー」ができることは。





…しかし劇中で繰り返されている通り、ソーは次第にムジョルニアを重く感じるようになっています。今回に至っては、その点をビルに指摘までされてしまいました。「王」として最適な振る舞いをしているはずなのに、なぜ。
もしかしたら、答えは簡単なのかもしれません。これもまた、ビルが言い表しています。かつて戦士であったソーは、誰かの危機に迷わず駆けつける、ヒーローと呼ぶべき魂を持っていた。だが、今のお前はどうか。
オールファーザーとしての責務を焦るあまり、マイティ・ソーと呼ばれ慕われていた頃の気持ちを、失ってはいやしないか。

なるほど、このシリーズ開始以来の違和感を、ビルは端的に表現してくれたと言えるでしょう。ただこれにそう簡単に頷けないのが、「王」と呼ばれる存在
小事のために大事を犠牲にしていては、それこそ意味がない。時には冷酷に、小さな声を切り捨てる必要もある。それがオールファーザーの主張と返答でした。
Thor20203- (7)自分は「王」なのだから。
ビルの訴えに、新たな父神ソーは言葉少な気に答える。



ソーとて、正解が分かっていないわけではありません。あの戦いでまた自分がワーシーとして選ばれたのは、たしかにヒーローであり、神でもあったから。双方の側面を持つ者こそ、有資格者たりえる。
けれども、それを意識的に持続すること、誰しもに望まれる形で続けることが、いかに困難か。
終わりを知らない世界を生きる神なればこそ、その記憶にも残らないような一瞬一瞬にもワーシーでなければならない。これが、いかに難しいことか。
今回は神としての「片割れ」とも言えるべき存在と相対することで、彼のヒーローたる部分が失われていることが明らかにされました。そして、次号戦うことになるのは…
Thor20203- (8)ビルからストームブレーカーを奪い取り、彼の持つムジョルニアと衝突!
その結果砕けたのは…ソーの武器であった。

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